
フリーランスで仕事をしている人は自分で確定申告をしていますよね。
自分で帳簿をつけるのって思っていた以上に奥が深く、理解できているようで間違っている…なんてことは多々あるもの。
そして帳簿の記帳間違いも、以前のものを見返してみるとたくさんあったりします。
当然当期のものであれば修正すれば確定申告には何ら影響ありません。ですが既に確定申告してから1年も2年も過ぎてから間違いに気づいたときはどうすれば良いのか?と思うはずです。
・青色申告なのに発生主義ではなく現金主義で記帳していた
・社会保険控除を入力し忘れていた
etc…
など、人によって間違いは様々あるでしょう。私の場合は上の両方でした。
青色申告で65万円控除を受けるためには、発生主義で記帳しなければなりません。
発生主義会計とは、具体的に言うと売上が発生したときに売掛金/売上で処理し、入金された時に普通預金/売掛金で処理する…といった複式簿記の記帳方法なのですが、なぜか今まで数年間に渡って入金されたときのみ普通預金/売上と記帳する単式簿記の方法で記帳していました。
単式簿記ができるのは白色申告のみ(厳密には白でも複式簿記のほうが良い)なのに、なぜ発生主義で記帳していなかったのか自分でもよくわからないのですが、このミスの発覚により過去数年に遡って帳簿の付け直しが必要になりました。
法人であれば帳簿は既に締め切っている状態でしょうから直すことはできませんが、個人事業主であれば会計ソフトを使っているなら修正が可能です。
本来であれば過去の帳簿をいじるというのは褒められたことではありませんが、発生主義で記帳すべきところを最初から現金主義としていたので、現在まで大きく影響してきます。なので、これはもう過去の帳簿も全て直すしかないと開き直って私は全て直しました。心配な方は最寄りの税務署にお伺いください。おそらく「直してもいいです」と言われると思います。
さて、過去の帳簿の修正後、税額が増えるのか、あるいは減るのかでその後に行う手続きも変わります。税額が増える場合は修正申告をしますし、税額が減る場合は更正の請求を行います。
今回ここで書くことは、私自身が去年一昨年に渡り間違った帳簿付けをしてしまった結果、修正後に税額が増えたので修正申告を行ったという内容です。
その上で、修正申告提出に必要な書類はなんだったのか?などをお伝えしていきます。
目次
スポンサーリンク
私が修正申告した時の手順
まず私が修正申告をした時の手順ですが、
①過去の帳簿の間違いに気づく
↓
②記帳している帳簿を「全て」修正する
↓
③正しい決算書を印刷する(提出不要)
↓
④国税庁の確定申告書作成コーナーで修正申告書を作成する
↓
⑤作成した修正申告書の提出用と控えを両方印刷する
↓
⑥印刷した修正申告書(控えも)を最寄りの税務署に提出する
↓
⑦提出日または後日郵送される振込用紙から未納となっていた金額を納税する
…という流れで行いました。
過去の帳簿を修正する
一番大変なのが帳簿の修正です。とにかく他の仕事に影響しないように迅速かつ丁寧に修正していきます。
修正するときは会計ソフトの補助勘定科目をフル活用して、残高がおかしくなっていないかをしっかりチェックして行きましょう。
修正する順番としては、過去のものから順番に修正していくほうがいいです。これは設定した補助勘定科目を次期に繰り越すことでそのまま使えるからです。
新しいものから修正していくと、補助勘定科目が重複していくので訳がわからなくなってしまいます。なので、過去のものから修正していくほうが無駄な手間を取らずラクです。
国税庁の「確定申告書作成コーナー」で修正申告書を作成する
過去の帳簿を修正し、正しい決算書が作成できたら次に修正申告書を作成します。
修正申告書の作成は会計ソフトで対応できないことがあるので、国税庁の確定申告書作成コーナーから行います。
確定申告書作成コーナーはどこから開けばいいのかわかりづらいことで有名(?)ですが、2017年からボタンリンクになりました。わかりにくさは相変わらずですが。
とにかくこのページから「確定申告書作成コーナー」を開き、さらに修正申告書作成ページを開きます。
開いたら更に進み、所得税(及び復興特別所得税)の構成の請求書・修正請求書の中から必要な年度を選んで作成していきます。
以前国税庁のページから作成していて、そのデータを残しているという人はそのデータを読み込むことで、簡単に修正申告書(または更正の請求書)が作成できます。ない場合は新しく作成することになりますが、特に難しいことはありません。
最初の方は以前の確定申告で提出した数値をそのまま入力していけばいいだけです。その後のページで修正金額を入力していくので、その順番を間違えないように気をつけてください。
修正前と修正後の数値を入力し終えると、未納であった金額が自動計算されて表示されます。
なので、ここに表示された金額を税務署に納税してください。メモしなくても第五表に全く同じ金額が記載されるので問題ありません。
この次のページでは「修正申告によって異動した事項の入力」という項目がありますが、ここは特に何も異動などがない場合は無記入で問題ありません。
最後に、「請求書・申告書等の印刷」のページから修正申告書等(または更正の請求書)の提出分と控え分を印刷して終わりです。
念のため、右下にある「入力データの保存」でデータを残しておけば、次に何かあってもすぐに対応できるはずです。
ここまでできたら、印刷した修正申告書を最寄りの税務署に提出します。
修正申告に必要なのは第一表・第五表のみ。決算書は不要
さて、ここまでが修正申告書作成の手順。私は売掛金勘定が今の今まですっぽ抜けていたので決算書も当然修正したものを提出するものだ、と思っていました。
結局帳簿を修正したのかどうか?といったことを聞かれることは一度もありませんでした。
えっ、今まで散々ネットをみて決算書も持っていったほうが良いんだろうか…と悩んでいた苦労は何だったの…。
しかし、実際に税務署に持っていくと「必要なのは第一表と第五表だけで結構です。決算書はご自分がわかればよいので、お持ち帰りください」と税務署の職員の方に言われました。
私の場合、増える税額も微々たるものだった上に自分から修正申告したので、「延滞税もおそらくかからないと思います。1000円を超えていると後々納付書が届くかもしれませんので、その時は納付してやってください」と言われました。
念のために目の前で延滞税を計算してもらいましたが、数百円でした。延滞税は1000円未満であればかからないとのことですから「大丈夫そうですね」ともお墨付きを頂き、事なきを得ました。
修正申告についてはネットで調べても正解は見えづらい
修正申告のやり方、帳簿修正についてはネットで調べると知恵袋や教えてgooなど色々と出てきます。帳簿は修正してはいけないとか、売掛金の記帳忘れは当期で処理しろ、なんて書いてあって訳がわからなくなります。
しかし、個人事業主であれば帳簿の修正も大目に見てもらえるはずです(確認はとっていませんので心配な方は税務署にご確認ください)し、そもそも10万円未満の未納について指摘されることはめったにないと思われます。
職員の方と話していた感じでは、まじめな人だなぁ…位にしか思っていないでしょうね。。。
ただし私は後々問題になるのは嫌だし、「あの時あの処理をしてなかったけど大丈夫かな…?」と不安な気持ちになりたくはありません。なので、少額でもきちんと修正申告にて納税しておきました。
ネットで調べたり過去の知恵袋を見ても、修正申告についての答えはなかなか見つかりません。
というのも、人によっても状況が違いますから、ピッタリ合う答えは見つからないのです。
法人か個人かでも帳簿などの修正方法は変わるので、探しすぎて時間を無駄にする…ということは避けましょう。
全くわからなければ、税務署に直接出向いて相談するのが一番です。確定申告で忙しい2月3月の混雑時は避け1月中に行っておくといいですね。ガラガラですから職員の方の対応も丁寧です。
3月以降であっても概ね余裕があると思うので、丁寧な対応をしてもらえるはず。
ということで、修正箇所に気づいたら早めに修正申告しておくことをおすすめします。